ねえねえ、なあに で守る子どもの権利条約とは? 大人にも必要だった
子どもが親の暴力で亡くなることがあるよね
うん こころが痛いよ
何かできること、あったらいいけど…
子どものための権利条約があるって知ってた?
何それ? 知らない
子どもの権利条約にある大事な権利を説明するね
子どもはみんな働きかけている
産まれたての赤ちゃんも、泣くことで
両親や大人やこの世界に「ねえねえ」って
働きかけている。
言葉ではないけど、私のことを見て、
お腹がすいた、お尻が濡れて気持ち悪い
抱っこして、話しかけてほしいと
働きかける。
大人たち、多くは親たちは「どうしたの?」
と言いながら、赤ちゃんの欲求を汲んで
満たしてあげる
赤ちゃんは自分の欲求を満たしてもらって
満足して、安心して笑ったり眠ったりする
同時に、欲求を言っていいと知っていく。
私の欲求は大事なんだと確信していく。
これが欲求表明権。
欲求を聞いてくれる人がいて、
叶えてくれる人がいて、言うことができるようになっていく。
言ってもいつも聞いてくれなかったら、
言うのをやめてしまう。言っても無駄だから。
そのうちに、言い方を忘れてしまう。
相手にわかりやすく伝える練習の機会がなくて、
うまく伝えられなくなったりする。
だから、とっても大事なことです。
人は、聞いてくれる経験の中で話すことを覚える
乳幼児は喃語から始まり、わんわん、まんまなどの
単語をしゃべるようになります。
周りの大人の言葉をたくさん聞いて、
自分に話かけられる言葉を聞いて覚えていきます。
応答のない中で、しゃべり始めるのではないです。
きょうだいがいると、親だけではなくて、
たくさん話しかけるから、下の子どもはしゃべるのが
早くなるとよく聞きます。
話すことはまだでも、聞いています。
誰がどんな風に伝えているのか。
耳だけで聞くのではなく、目や触感や
いろいろなものをフルに使って吸収しています。
アタッチメントをベースに成長発達していく
子どもにとって「ねえねえ、なあに?」は
心理学でいうアタッチメントです。
アタッチメントとは、子どもにとっての安全基地
のようなものです。嫌なことがあった時に、親の
顔をみるとワーンと泣いてしばらく慰められると
落ちついていきます。どんなにぐずぐず言ったり
泣き叫んでも、いなくなったりせずにそこにある
ものです。
アタッチメントが安定している中で、
認知機能が発達し、感情コントロールがうまく
できるようになり、
生きやすい子どもになっていきます。
さらに、外への興味が湧いてきます。
「ねえねえ」って働きかけても、
大人の気分で無視されたり、怒鳴られたり
かと思うと、過剰に優しくなったりすると、
しくみがわからず、人と関係を作っていくのが
怖くなったりします。
親が安定したアタッチメントを供給できないなら
他の大人との間で作っていくことが大事。
周りの大人や保育園や幼稚園、学校の先生や、
近所の人。安全な大人と安心できる関係を作って
行くことが必要です。
子どもにとって成長発達することは権利
大人になくて、子どもがもっている権利が成長発達権。
でも、アタッチメントがベースにないと成長発達することが難しくなるのです。
「ねえねえ、なあに」が機能しなかったり、
不健康な応答ばかりだと、身体的虐待や暴言、
性的虐待が起きたとき、それが応答の形だと
間違えてしまうのです。
他の方法を知らないことや、何もないよりはいい
と思ってしまうことが起きてしまいます。
応答してもらえないと成長発達が阻害される
アタッチメントを築くことができないと、子どもは自分の存在を大事に思うことが難しくなり、行動や感情のコントロールを学ぶことができません。
ひどく受動的になったり人に対して働きかけをしなくなったり、とても攻撃的になったり、行動の統制ができないようになるかもしれません。
発達凸凹な状態と同じような症状をもつ場合もあります。見分けるのはとても難しく、アタッチメントを回復することで、症状が改善していくなら、発達凸凹よりもアタッチメントから来ていたとわかるようなものです。
大人になっても影響を及ぼすアタッチメント
子どもの頃に十分なアタッチメントを得られないと、恋人やパートナーにアタッチメントを求めます。それはとても自然なことです。
相手が健康なアタッチメントを持っている人なら良いのですが、不健康なアタッチメントや暴力によるコントロールをする場合に、アタッチメントを求めている人は、見誤ってしまうことが起きるのです。
例えば、パートナーから暴力を振るわれても、
自分が悪いからだと思い、もっと努力をしないといけないと考えてしまいます。パートナーのする、愛ゆえの暴力という言い訳を信じようとしてしまいます。
このような状況では、自分が何を感じているか、どんな欲求をもっているかを気づく暇がありません。暴力の状況は嫌だと思っても、やり過ごすことに精一杯になってしまいます。
パートナーとの間に子どもがいると、同じようにコントロールされる側にいる場合でも 立ち位置が少しずつ違っていたり、
子どもをかばおうとしても、できない自分が辛くなったりします。或いは、かばうこともできなくて、子どもに恨まれたり、バカにされたりします。反対に子どもがパートナー側についてしまうこともあります。
親子関係の境界線は、親グループと子どもグループの間に引かれているのですが、母と子がグループになってしまったり、父と子になったり、全員バラバラになったりしていることもあります。
そうなると、家族の機能が複雑になり、子どもの成長に影響を及ぼします。
子どもの頃から母親の愚痴を聞いて慰めるのが自分の仕事だったとか、積極的には言われなくても父のようにならないように、学校に行くよう圧があったとか、父が機嫌を損ねないようにするのが役割だったなど、子どもとして生きられないことになります。
とてもしっかりして見える人が意外にも…
アタッチメントに不安のある人は、
表面上や人との関わりの面でとてもしっかりしていることも多いです。
びくびくを感じたくないから、きちんとするようにしていることもあります。
もし、思い当たるところがあるなら、びくびくしてもいいんです。
ビクビクの自分もオッケーだと言ってみるのは、
どうなるでしょうか?
ビクビクしてはいけない、キチンとしないといけないという思いが自分を苦しくしていることもありますよ。
大人のあなたがアタッチメントを回復するためにできること
子どもやペットがいるなら、ただかわいがる。賢い子になってほしいとか、条件はなしでそのままの存在を大事にしていくことで、回復していきます。植物や公園の木などもいいと思います。大事に思うものを見つけて行動してみるといいです。
自分を無条件に愛するようにしてみるのもいいと思います。嫌なところも、できてないところも、いいところもまるごとの自分を感じてみるのはどうでしょうか?
子ども時代にアタッチメントは必要です
「ねえねえ」と子どもが呼びかけたら、「なあに」と応える環境を作っていきましょう。親だけに求めるのでなく、大人がみんなで作っていく。
子どもの権利条約に示されている欲求表明権
それが保証されている中で、意見表明権が尊重されること。
子どもにとって大事な権利
大人になるのに、必要なもの
大人にとっても大事