親子関係やパートナーとの関係でトラウマを抱える女性のこころのケア

子どもがぐずるとイラっとしてしまう、その対応法は?

 
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ぐずるとイラっとしてしまう、対処法の大事な1つが「引き金を明確にする」ということです。
どういうことなのかを1つずつ説明していきますね。

 

急いでいる時に限ってぐずる。どうして私が嫌なことを子どもはするのだろう? わざとやってるの? と思うこと、あったりしませんか? 

 

1.自制できている自分はOK 

でも、ひとたびイラっとすると抑制が効かなくなる。イラっとしたものが放出されきってしまわないと、自分に戻れない。はっとすると子どもがおびえた目でこちらをみていた。

子どもは表情のない顔で、こちらを見ている。いけない、とあわてて子どもに謝ると、子どもはいいよ、と言ってくれる。もう絶対にしない、と思うのに、またやってしまう。

うまくやれていると思える自分はOKだけど、そうではない自分は許せない。

 

2.子育てで、これだけは譲れないポイントあり

例えば、母乳じゃないと母親ではないとか、離乳食は手作りでないといけないとか、トイレトレーニングは3歳までにしないといけない、などがある。そのことで苦しい思いもあるけど、やめるわけにはいかない。だって、他の人はできているし、そうでないと、子どもに申し訳ない、いい母親だと自分を認められない。

 

3.早くしなさい! どうしてできないの? とつい言ってしまう

子ども自身を認めてあげよう。ポジティブな言葉かけをしようと思うけど、「なんでできないの?」「いっつもそうなんだから」「ダメでしょ」「何回言ったらわかるの?」などと言ってしまう。育児を楽しむなんて無理だあ・・。みんなはうまくできているなあ。私は子どもをうまく育てられない。こんな自分が育てないほうが、子どもは幸せなのかな? なんて、思ってしまったり。

 

良いところを見つけて、褒めて育てようって言われるけど、褒めるところが見つからない。ポジティブに言うって、言い換えているだけ、のような気もするし。鬼のような顔で、「そうなんだ」と言っても子どもには伝わらないよな、と思ってしまう。

 

毎日イライラして、怒って、子どもが泣いて、私も泣きそうになる。夫に言っても、どうして? 〇〇はいい子じゃない? 君がイライラしているのがよくないのでは? とか、見当違いのことを言われる。そうじゃなくて・・と言いたいが、言葉がでてこない。イラっとしてもういい! というのが精いっぱい。すると、やれやれ、という気配が夫から漂う。自分がちっぽけな存在のような気がする。

 

4.対処行動になっていませんか。

大河原美以先生によると、子どものぐずりという負情動に、母の辺縁系(内臓感覚レベル)でキャッチして、認知等をつかさどる皮質系で負情動を言語化し、子どもの求める安心やしてもらいたいことを与えます。これらにより愛着形成が育まれていくといいます。

 

けれど、トラウマ等があると、子どもの声や行動が引き金となり、母の身体感覚レベルで、うわっと嫌な感覚が起きてしまう。それらは、自分のもつ否定的信念(子どもにいうことを聞かせられない私はダメだ。自信がない。ちゃんとできない自分はダメだなど)を掻き立てます。そのため、なんとしても対処が必要になるのです。そして、子どもの要望や状況を認知的に理解したり、必要なことをするという前頭葉(皮質系)に伝わらず、トラウマへの対処行動となってしまいます。

 

そのため、怒りだしたら止まらない、とかぐずりをすぐさまやめさせなければ、と何でも与えてしまったり、もう知らないっと母自身がいなくなってしまったりします。

 

例えば、こんなトラウマがあったとします。幼児期、いつもは親のいうことをよくきく子どもだったのに、その時はぐずって、なだめられても収まらなかった。その後、母親が数か月入院してしまったということがありました。子どもがぐずると、この自分のトラウマに直結し、その時の喪失感や罪悪感と繋がり、トラウマ反応への対処行動が起きます。

 

トラウマ反応は、前頭葉の認知思考脳ではなくて、大脳辺縁系が瞬時に対応してしまいます。大脳辺縁系は生きるための行動なので、思考脳がどんなに感情的にならないようにしようと伝えても、生きるための戦略のほうが上位にくるので、後回しになってしまいます。

 

5.この状況にできること

どんな時に対処行動となるのか、をまずは観察してみましょう。子どもの様子はどうですか? 怯えている感じがありますか? 必要以上にひっついてきますか? 子どもがあなたをなだめている時がありますか? まずいなと思いつつ、大丈夫だと思うことを繰り返していますか? 自分の思いは誰にもわかってもらえない、だったらいいやと思ったことがありますか? 

 

いくつかのことがしょっちゅうあるのなら、トラウマの対処が必要かもしれません。

 

あなたが子どもに「ぐずらないでいつでもいうことを聞いてほしい」と思っているとしたら、それを幾分か替えることはできますか? ぐずりは子どもからのメッセージ、とか。ぐずるというのは子どもにとって不快なこと(体調含め)が起きているのかもしれませんし、退屈しているとか、かまってほしいというサインなど、なんからのメッセージだと思います。そこまで変えるのはちょっとという場合は、「ぐずる時があってもいい。」「ぐずるのは成長の一つ」などに変えてみるのはどうでしょうか?

 

自分にとっての引き金ポイントがぼんやりとでも見つかったら、引き金を引かれないためにできることがあるかを考えます。

 

例えば、どういう時に子どもがぐずるのか。眠い時なのか、あなたの仕事が忙しくて余裕がない時なのか、登園前なのか、帰宅後のあわただしい時なのか、もっと起きていたいのに寝かしつけられる時なのか、など。

 

状況が特定できたら、その状況にできることは何でしょうか? 眠い時なら、少し時間をとってゆっくりするとか、絵本を読んであげるなどかもしれません。あなたの余裕がない時になるのなら、食事は出前をとるとか外食する、洗濯物はたたまないで積んどくなど、少しでも自分に余裕ができそうなことをします。夫や家族に協力してもらうのもいいと思います。

 

そして、引き金が引かれた時にどうするかを考えておきます。いつもは、イラっとしてひどいことをしばらく言い続けてしまうなら、イラっとした時に気づくようにします。

 

イラっとした時、どんな感じになりますか? 手に力がはいるような感じ? 胸が熱くなりますか? 足をどんどん踏み鳴らしたい感じ? その感じがしたら、何をするのかを決めておきます。

 

トイレに行くというのもいいし、「ちょっとイライラしてるから、2,3分隣の部屋に言ってるね」と別の部屋に行くのもいいかもしれません。

 

あるいは冷たい水を飲むとか、手首に輪ゴムを巻いてパッチンと数回したり、ゆっくり呼吸をするというのもいいと思います。

 

落ち着いたら、いつものあなたになって子どもの対処はできると思います。

 

引き金が引かれたら、どれをやっても止まらないという場合は、カウンセリングなどトラウマの対処を考えてもいいかもしれません。

 

自分の中の〇歳児が暴れだしているような感じがする。あるいは、〇歳の自分が、できないよー、そんなこと。自分だって、甘えたいんだよ、泣きたいんだよ。泣いてよしよしとなだめてくれると思える場所が、人がほしい。それはどこにあるの? 誰がそうなの? という思いがあるなら、トラウマがたくさんある場合や、一つ一つは小さくても長期間続いた、親からのコントロールがあるのかもしれません。

 

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