親子関係やパートナーとの関係でトラウマを抱える女性のこころのケア

良い体罰、悪い体罰ってあるの? どちらも体罰なのに・・分けたい理由と対処法

 
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徳島市で女性のための心のケアをしています。身体やこころが縮こまっていたりしんどくなっている方がのびやかに生きられるようサポートしていきます。もっと詳しいプロフィールはこちら
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子どもが危ないことをしたから、叩いてわからせた

 

部活のコーチが殴ったのは、愛のある指導だったから、感謝している

 

なんて声を聞きます

 

一方で、親に叩かれたことはずっと覚えている

愛のムチだなんて思えない

 

コーチに殴られてショックだった

体罰だったと思うという話もあります。

 

あなたは、どれですか?

良い体罰はある?

体罰はすべてダメ?

ないほうがいいけど、仕方ない時もある?

 

暴力はよくないと言いつつ、どこかで肯定したくなる理由

どんなに言って聞かせても、言うことをきかないなら、

殴るのもやむなし。

と考えている人は、意外にも多いのです。

 

自分がそうだったからという理由や

他に方法がないからとか、

叩かれても後でその意味がわかるから大丈夫だと考えているのです。

 

福井県立大学の友田明美先生の研究結果から、体罰を受けると

子どもの脳に影響を及ぼすことが明らかとなっています。

 

体罰には、殴るけるだけではなくて、怒鳴ることや無視なども

入ります。お尻を叩くのは体罰ではないと思っている人もいるようですが、

これも体罰です。

 

18歳から25歳の若者における体罰経験と容認傾向

早稲田大学大学院 体罰調査プロジェクトチームの研究結果

2019年1月に行われたウエブアンケート 2,035人

子どもの頃に体罰等を受けたことがある人 50.1%

子どもの頃に体罰等を一度も受けたことがない人 49.9%

 

認識としては「体罰等を一度も受けたことがない」と答えた人にも

「怒鳴られる、脅される、暴言をうける」18.8%

「小突かれる、頭やお尻を軽く叩かれる」14.5%

が「時々うけていた」と答えている。

 

つまり、体罰を受けたことがある人は半数よりも多いと言えます。

また、殴るけるなどは体罰だと認識があるが、怒鳴る・脅しなどの精神的暴力や

小突く、頭やお尻を軽く叩くなどを体罰ではないと考えているようです。

 

お尻を叩くのはしつけにならないことは別の調査研究でわかっています。

暴力を使うことは、子どもに恐怖感を与えるので、その時はしなくなっても、

同時に恨みや親に対する不信感などを感じるので、関係が悪くなります。

関係が悪い中でしつけをするのは、難しさが増えます。

 

この調査では、体罰の行為ごとに受けた時の感情を聞いています。

「自分が悪いから仕方ない」や「愛情を感じた」「感謝している」などの

肯定的感情を持つ人は3割から4割強。

「恐怖感」や「腹が立った」「理不尽だと感じた」等

否定的感情を持った人は6割から8割強です

 

体罰等を受けた時の感情と体罰等容認傾向を集計すると、

自分の受けた体罰を理由はどうあれ肯定すると、

子どもに対する体罰を容認しやすくなるのではないか

と考えられる結果となっています。

 

一方で、否定的感情を持つ人のうち「それしか方法がない場合」に

体罰等を容認する割合も一定程度あります。

 

つまりは、子ども期の体罰等を受けた経験が、成長後の体罰容認意識に

影響を及ぼす可能性があります。

 

大人の体罰に対する意識調査 セーブ・ザ・チルドレンアンケート結果

20歳以上の大人20,000人に対するインターネットアンケート

しつけのために体罰をすることの意識

体罰等を決してすべきではない     43.3%

積極的にすべきである          1.2%

必要に応じてすべきである        12.2%

他に手段がないと思った時のみにすべき 39.3%

若者で体罰等をすべきではないと考える人は 53.7%なので、

大人の方が体罰等をしてもよいという割合が高いと言えます。

 

過去のしつけにおける体罰等の経験では、約7割の人が体罰等を

行った経験があると回答しています。

思ったよりも多くの人がしているという印象を受けました。

 

しつけのために子どもを叩くのを容認する理由としては、

「口で言うだけでは、子どもが理解しないから」 42.8%

「痛みを伴う方が、子どもが理解すると思うから」20.6%

「その場ですぐに問題行動をやめさせるため」  23.6%

意外に、言ってダメなら叩いていいという人が多い。

子どものためというより、大人側の理由だと感じます。

 

子どもの養育に体罰等をしない、と一人一人が決めることが大事

 

しつけと体罰はグラデーションではなく、ラインが違う

しつけの厳しいのが体罰、のようにグラデーションがあるのではなく、

体罰は暴力なので、しつけとは別のラインになります。

 

どこからが体罰でどこまでがしつけか、というのではないです。

身体への暴力である、殴るけるや長時間の説教、

怒鳴ったりすることや、人格攻撃、

性的な接触や言動、

無視をしたり子どもに必要な世話をしないなども

体罰と言えます。

 

体罰は暴力

暴力とは、有形力を用いて相手を従わせること

あるいはその人にとって生きるのに必要な世話をしないという暴力もある

 

目的が子どものためだから、いいのだと言う人もいます。

でも、それは、している人が言っているにすぎません。

子どもに何か学んでもらいたいことがあるなら、

暴力以外の方法があるでしょう。

 

ご飯をこぼす子どもを叩いても、こぼすのは直らない

こぼさないで食べるにはどうしたらいいのかを

一緒に考えたり、教えることが必要です。

 

車が来ているのに道に飛び出そうとする子どもに

どうやってやめさせるのか。

年齢にもよりますが、ひかれると痛いことを教えたり、

命が亡くなると何もできなくなることや、

親やきょうだい、祖父母などがつらいことを伝える。

 

飛び出そうとするときには、身体を押さえたり服をつかむことも

必要だと思います。大きな声で「危ない!」ということもあるでしょう。

親がびっくりしたことや心配したことを伝えるのも大事です。

心配すると怒りになってしまうことも多いかもしれませんが、

伝えたいのは心配なので、ゆっくり伝えましょう。

 

子どもを叩きそうになる時は、親もパニック状態

親が疲れていたり、時間が迫っているのに、

子どもが思うように動いてくれない

つい、即効性があって簡単な暴力を使ってしまう

 

他に方法がない、と思い込んでいる時だったりしますよね。

余裕があれば、ゆっくり待ってやれるし、

時間までにできなくてもいいと思えるなど、

別の視点で考えられたりします。

 

疲れた時や時間がない時の対処法をあらかじめ考えておきます。

 

やってみましょう。

その時の自分をイメージしてみてください。

どんな身体の感じでしょうか?

 

足が重いかんじ

お腹がぐるぐるする

頭が緊張している・・

身体全体がだるい

 

いろいろあると思います。

何も感じないという人もいるかもしれません。

感じないように身体を固めている時期

なのかもしれません。

 

急に感じるには危険、だと言ってきているのかも

しれません。ただ、その状態に気づいていてください。

できそうなら、

安全な場所や時間を考えてみるところから

少しずつやっていきます。

トラウマなどがたくさんある場合は、

セラピストと一緒に行っていく方がいいかもしれません。

 

身体の感覚がつかめるなら、

その感覚と一緒にいてみてください。

どんな感じでしょうか?

 

この身体の感覚になった時は、疲れているのです。

自分になんらかの休息をとり、

するべきことをやめます。

 

例えば、

家の片づけや掃除は休んで、明日しようと決めます。

そして早く寝ます。

子どもと良い時間を持つのがいい。

家のことはぼちぼちでいい。

 

子どもにおもちゃを片付けるのを習慣化させたい場合も、

全部を片付けなくても、一つでもおもちゃを箱に入れたらよしとします。

 

時間がない中で、すべてをするのではなく、

のばすか、することを減らすことを考えておきます。

 

怒りでいっぱいになっている時

怒鳴ったり、物にあたる、人格を攻撃するなど子どもにまねてほしくないやり方を使いそうなら、それを見せるのを避けます。

 

子どものいない場所で、叫んだり悪口を言ったりして

感情を出してしまいます。

子どもに見せない、というとても素敵なことをあなたは

したのです。

 

子どものしたことで、怒りが子どもに向かっているなら、

まずそのことに気づけるようになりましょう。

 

どういう時に、それが起きやすいですか?

例えば、朝、急いでいる時に限って「保育園に行きたくない」ってぐずる。

だとすると、ぐずらない日はどんな日なのか考えてみます。

 

何か違いがあるのなら、ぐずらない日に起きていることを

できるだけするようにします。

それでも、ぐずってイライラしたら、子どもを怒鳴ったり叩いたり

する前に、その場を離れます。

 

1分~数分、冷静になる時間を取ります。

落ち着いて余裕ができれば、出来事に対処できることを思い出します。

怒りは問題をややこしくします。

 

その日は、仕事に遅刻してもやむなしと決めたり、

短時間、子どもの行きたくない気持ちを聞いて、

でもいかなければならないことを伝えるなど対応を考えておきます。

 

怒りを不適切な方法ではなく、適切なやり方で対処できることを

見せる機会となります。

冷静にいられた自分をうんとほめてください。

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