親子関係やパートナーとの関係でトラウマを抱える女性のこころのケア

発達障害は発達するとはどういうことなのか?

 
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大谷 あおい
徳島市で女性のための心のケアをしています。身体やこころが縮こまっていたりしんどくなっている方がのびやかに生きられるようサポートしていきます。もっと詳しいプロフィールはこちら
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発達障害とは、脳のシナプスの結合ミス

神田橋條治先生によると、病気ではなく、脳にシナプスの発達の遅れがあることだと言われます。シナプスの結合ミスがあるということであり、すべてが完全な人はいないため、みんなみんな発達障害だと言われます。

そして、脳には、可塑性(変化していく仕組み。ある機能がうまくいかなくてもバイパスを作って代替したり、次に繋ぐしくみ)があることがわかってきています。脳梗塞などの脳血管障害の後遺症がある方が、歩けるようになったり話すことができるようになっているのも、脳の可塑性があるからだと言われています。

発達するとは?

今すでにある能力からシナプスが繋がっていくことが発達だという考え方があります。これだとどんな人にも、情報が蓄積されたり、知識が貯蔵されていき、ある時発火が起こってシナプスが繋がるということが起きるように思います。

こんな経験ありませんか? いろいろ何度も言われていたけど、できなくて、ある時、“そうか!”ってわかるということ。

組織の都合で転勤命令がある。取り組んでいる仕事がやっと軌道に乗りそうなのに・・。どうして上司は私を評価しないのだろうと悔しい思いでいっぱいだった。ある時、個人より組織を優先させるのが組織なんだと気が付く、というような。

ある人と会った後、なにかこころがざらっとする感じがある。悪い人じゃないのはわかるが、どうもね、と思っていた。ある日、何をやっても認めてくれない批判的な母親に似ているのか、とわかるというような。

だから、どうなの? 

もやもやしたり、苦しい思いでいっぱいの時、“わかる”ことは、すっきりするし、考えが違うふうになったり、選択肢が見えてきたり、行動を変えたりできるようになることに繋がります。

自閉症とは

DSM-5(アメリカ精神医学会作成の精神疾患の診断と統計のためのマニュアル第5版)によると、自閉症スペクトラム障害とは

〇社会的、情緒的な相互関係の障害

〇他者と交流に用いられる言葉を介さないコミュニケーションの障害

〇(年齢相応の対人)関係性の発達・維持の障害

があり、限定された反復する様式の行動や興味や活動が2つ以上あることとされています。例えば常同的で反復的な動作や話し方、同一性へのこだわりや焦点が限定的であることや、感覚の敏感性や鈍感性などが含まれています。

これらは、スペクトラム障害であることから、軽度から重度の幅があることが明記されています。

杉山 登志郎先生は、自閉症スペクトラム障害(ASD)におけるコミュニケーション障害は社会性の障害に内包されているが、自閉症の認知やコミュニケーションのやり方とは違いがあるのではないかと言われています。

ASDの場合には、言葉や物事に対する認知的特徴の上に展開されるのではなく、ある事柄に注意が注がれた時の切り替えの困難さと、同時処理の難しさゆえに起こることではないかと考えておられます。

衝動性の問題も、行動のみに注意が振り向けられ、他の情報処理が止まった状態になることから生じる。フィードバックを必要とする双方向のやりとりの苦手さとして生じているのではないか。

東田直樹さんの著書を読んでいるとそのようにも思います。すべての自閉症の方が発言されているわけではないので、言い切ることは難しいとは思いますが、行動に移すには、行動をイメージしてそれから行動にうつさないといけないが、イメージすることができにくいとあります。東田 直樹著「続・自閉症の僕が跳びはねる理由」より

どちらの場合も、周囲にわかってもらえないことや、自分では違うと言いたいのに言えかったり、誤解や齟齬が重なって怒られたり、仲間から外されたりといったことが起きることがあります。

傷つき体験は、ケアをされることなく積み重なっていくことが多いです。

傷つき体験が基になってフラッシュバックが日常的に生じることにもなり、ちょっとした声掛けにものすごく驚いたり、キレるという反応をしたり、固まってしまうという反応をしてしまうので、周囲はどう扱っていいのかわからなくなったりします。

自分でもどうしてそうなるかはわからなくなっていることも多いです。

フラッシュバックはトラウマの再体験なので、闘う、逃げる、シャットダウンのどれかを脳がしてしまいます。前頭葉が考えて行うのではなく、大脳辺縁系が瞬時に行う生き残り戦略なのです。なので、対応に時間や体力を取られて、疲れてしまいますし、生活が停まってしまったり、周りとの関係が悪くなったりします。

フラッシュバックがあるかを観察して、緩めていくことが生活をしやすくすることに繋がります。

どうやったらわかるのか? 

自分自身を観察することが難しい場合は、家族や周囲の人に観察してもらって、言ってもらえる関係であるならそうしてみることもできます。安心できる関係にないなら、少しずつ自分を見ていくことになりますが、ちょっと自分に距離を置いて見てみるという感じでしょうか。

発達障害があるとはどういうことなのか

定型発達との連続性があると言われるが、どういうことなの? 

私自身を振り返ってみても、連続性のどこかにいる、と思います。幼少期の私は、食べ物を噛まないで口に含んだままにしていて、何度も叱られました。

やむなく噛むようにしたところ、食べ物の食感に気づく機会がたくさんでき、食べる楽しみがその後に出現したように思います。

食べることが発達したと考えることもできるかもしれません。

人はみんな発達の途上にいる。

何が発達を促すのか?

自己実現すること、自分がやれた“can”ということだと、神田橋先生は言われます。

どういう状態かというと、

今日のこれからの時間、例えば、朝起きてご飯を食べるまでに、自分が何をしたいのかを自分に問いかけてみる。時間を小さく区切って、その間にしたいことは何だろう? と考えてみる。

コーヒーを入れよう。ご飯に納豆を食べよう。納豆には何をかけようか? 海苔? 卵? 醤油? 思ったら、それをやってみる。やれた、となる。自分でやってみようと思ったことができること、自発的な思いに応えることで、発達する。

“できた”っていうのは嬉しい。

どれにしよう? と自分に問いかけて、思い浮かべて、どれにするかを決めて、実行する。選択や、決めるということなどいくつもの要素があって、“できた”となる。

それならば、と親御さんや支援者は“できた”体験を増やせばいいと、あの手この手でさせようとするかもしれません。でも、仕組んでうまくいくというのはなかなか難しいかもしれません。“やらさせた”という体験にならないことが重要です。

自発的であること、周りは選べるように材料を置いておくことはできても、無理にさせないことが大事だと思います。

治るとは、定型発達の人と同じ考え方をして同じように感じ、同じように生活することではなく、その人がその人らしいありようを開花させることではないかと思います。

その道筋は、できるという“can”ということを経験していく。

自己実現した状態というのがどういう状態であるのかは、本人にはわかると言っています。のびのびして寛容になりフレキシビリティが高まっているからわかるのだと神田橋先生は言っています。

今までただ耐えるしかない、とかがむしゃらにやっていくしかないと思っていたものが、ある時力が抜けて楽にできるようになっている。あるいは、もうこれはやめよう、やめて別のことをしてみたら、いい状態になった。何がどうなったと言えないけれど、よくなったのはわかる、というような。

発達障害は発達します

著書を記されている当事者の藤家寛子さんは、新しい著作では、自分自身が変化したことを書かれています。

フラッシュバックが改善し、記憶が上書きされて、もう過去の出来事に捕らわれている状態ではなくなったことや、感覚統合検査で脳と身体感覚のつながりを知り、罪悪感が減っていった状況が記載されています。

脳のシナプスが、ある時に繋り、あるいはバイパスができて、生きやすくなっていくように思います。

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