親子関係やパートナーとの関係でトラウマを抱える女性のこころのケア

EMDRでトラウマが改善できるのか? 

 
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大谷 あおい
徳島市で女性のための心のケアをしています。身体やこころが縮こまっていたりしんどくなっている方がのびやかに生きられるようサポートしていきます。もっと詳しいプロフィールはこちら
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EMDRと言う言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません

トラウマに対する心理療法の一つなのですが、夢の療法と言われたり、心理療法ではなくソマティックだと言われたりすることもあります。

眼球運動などの両側性の刺激を与えながら、トラウマにアプローチしていく方法でフランシーン・シャピロ博士が開発したものです。著書もいくつもでていて、翻訳本もいくつかあります。

眼球運動でトラウマが軽くなっていくのか?

そんなことでトラウマがなくなるなら、苦労しない。と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

忘れたいのに、夢にでてくる。叫んでいる自分の声で目が覚めた。ある物を見ると、あるいは言葉を聞くとトラウマにあった時と同じように怖くて震えたり、身体や思考が固まってしまうことがあります。ある場面になると言葉が出てこなくなるということも起きたりします。あるいは、いつもこんな場面で、うまくいかないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。

これらはフラッシュバックといわれるものですが、トラウマは出来事が大きすぎて処理できない時になるものであり、処理をしたいという試みとも言えますし、危険な状況を知らせて再び同じことが起きないようにするためとも考えられています。

でもこんなことが頻繁にあるとしんどいです。

EMDRは眼球運動だけではないのです

その前に、あなたの持っているリソース(資源)へのアクセスを行うことがとても大切になってきます。リソースってなんだ? ということですが、自分の身体であったり、好きなことや関係性、特性なども入ります。リソースを確認していくことを一緒に行います。

トラウマは記憶でもあります

トラウマ記憶を改善していくには、ある程度のトラウマへの接触が必要になってくることが多いです。安全にどう触れるのかが課題でもあるわけです。安全でありながらトラウマに触れるということを行います。

どういうこと? そんなことができるの?

セラピストとの関係や自分自身との関係、トラウマへの取組の中でトラウマ記憶に対する見方や自分の中の意味付けが変わっていくのです。

私の犬恐怖

トラウマの書籍にもよく取り上げられますが、子どもの頃に、犬に噛まれたことから犬が怖くなり、小さい犬が前方50メートル先にいると、別の道にいかなくてはならない日常を送っている場合もあります。

私にも、経験があります。

きっかけは忘れたのですが、何匹かの野良犬に追いかけられ、途中まで妹と一緒に逃げていたのに、力尽きて走るのを辞めた妹を犬たちは見向きもせずに、走って逃げる私を追いかけてきました。怖くて、怖くてどうやってその場が収まったのか記憶にないけれど、収まったことは覚えています。

それ以来、犬がいると、遠回りしなければならなかったり、部屋に子犬がいても、一番遠い所に座ったりしていました。犬が動いたらどうしたらいいのだろう? どこに移れば安全か? などをずっと考えているので、その場での話は気もそぞろ。聞いていない状態となっていました。または、身体を固めてやりすごす、ということもしていたと思います。

犬恐怖にどう取り組んだらいいのかわからなかったので、恐怖は拡がっていき、犬だけでなく猫も苦手、ハムスターなど小動物でさえも怖くなっていきました。動物全般が怖かったのです。とても生活しにくかったです。

自分の子どもを犬嫌いにしてはいけないと思うものの、身体がついていかない、などということも起きました。幸い子どもは犬に恐怖を覚えることもなく、遊んでいましたので、ほっとしました。

子どもが、ハムスターを飼いたいと言い出したときには、どうしようと思いました。私は、さわれないのに、子どもだけで飼えるの? 病気になったらどうしたらいいの? 

親切な知り合いから、手作りのゲージを頂けることとなり、飼うしかなくなりました。幸い、ハムスターは子どもたちが世話をしていたので、ほとんど私が手伝うことはなかったのですが・・。こんな風に、放っておくと、恐怖が拡がってしまう場合もあります。

自分なりに対処してみたが・・

自分の方が犬より大きいのだから、と無理やり恐怖心を押し込めることで、前よりはましになっていました。ですが、知り合いのお家にお邪魔したところ、犬がいたりすると冷や汗をかきながら時間をすごしていました。

猫の場合は、近寄ってこないでーと心の中で叫ぶ私を見抜いているかのように、猫は近寄ってくるのです。その度に、ああ見抜かれている、と自己嫌悪に陥っていました。

こんな風に、自己嫌悪、ダメな自分というのを何度も確認してしまう状態になっているのなら、トラウマに取り組んでみるのもいいかもしれません。

うまくいかない時に、やっぱりダメだなと思ってしまうクセがついてしまう可能性もあります。そうなると、たまたま犬に追いかけられたという出来事がダメな自分に紐づくという、考えればおかしなことなのですが、自動化されてしまうので思考でいくらやめようとしても難しくなります。

トラウマのために生活に制限が加わっていたり、人間関係に影響がでていたり、いつもこの場面で不必要に怒ってしまう、とか泣いてしまう、感情的になってしまう、あるいは断れなくて引き受けてしまい、大変な思いをしている、などがあるならトラウマへの対処に取り組んでみたらいいのではと思います。

私の場合、なんとかなるのだと気づいたのは、トラウマの学習をしてからです(犬に追いかけられた幼少期からすると数十年経っています)。

怖かったね~と何度も自分に言い、恐怖を担当していた部分を認めてあげたり、小さかった自分にできることはなかったんだよ~。よく走ったね、と自分にできる唯一の事をしたことを労ったり、走り続けたことで、妹は恐怖の時間が短くなったんだよと伝えたり。

犬や猫を可愛いと思えない自分を責めなくていいんだよ~。そう思うのは自然なことなんだよ~と何度も言ってあげました。

やがて、犬がいたら犬を必要なだけ見ることができるようになり、恐怖の対象としてではなく、犬として見られるようになっていきました。他の物と同じ位置づけに変わったのです。

噛まれるのではないか? という思いは残っていますが、必要な警戒心だと思います。噛まれたら痛いだろうと思うのは自然なことで、誰もが風の谷のナウシカのように、動物との関係づくりには噛まれることも必要だとすることもないし、なれないと思っています。そのことで自分を責めたり、ダメだと思うこともなくなりました。

これらをEMDRで対処するなら

おそらくこんなに長い時間かかっていないだろうと思います。呼吸や身体の状態を感じたり、安全な場所や安心のリソースにアクセスして、準備をして犬恐怖に対処していくことになるだろうと思います。

 

準備は人によって違います。身体を固めて感じないようにすることで日常生活を成り立たせている場合もありますし、意識を飛ばすことでなんとか過ごしていることもあります。それらは今を過ごすのに必要なやり方なので、急にやめたりするのではなく、まずはそのことに気づいていくことをしていきます。

 

トラウマの話をしないといけないのではなく、できるところから少しずつです。対処にかかるセッション数も状況により違ってきます。私の例でいうと、自分はダメだという思いを何度もしているので、そのことにも対処するセッションが必要だったかもしれません。

 

次に犬に会ったらどうするか? など起こりうる状況に対する対処を検討してみて違和感がなければ終了となります。

 

一方で、トラウマに対処するのに、必ずEMDRを使わないといけないということもないと思います。それがうまく機能する人には使いますが、そうでない方の場合には、別な方法を使います。

 

その人の状況やトラウマの状態に合わせて使う方法は変えていきます。今の状態を改善するために何が必要かを相談しながら、できるところから取り組んでいきます。全てのトラウマを処理しないといけないというものでもありません。その時に必要なことをしていきます。

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