親から大事にされなかったから、子どもとのかかわり方が不安、と思う時の対応法
子どもへのかかわり、これでいいのだろうか?
と不安になることもありますよね。
あなたの育ってきた環境と関係しているのかもと
思うこともあるかもしれません。
この記事では、そのあたりをひも解いていく
ヒントをお伝えします。
あなたが親から大事にされなかったと感じながらここまで来られたなら
大変な子ども時代を生き抜いてきたサバイバーです。
親御さんとの関係が不安定だったり、
安全と思えない中を過ごして今の場所にたどりついたんです。
とっても頑張ってこられましたね。
こう言われても「いえいえ私なんか・・」と瞬時に打ち消していませんか?
「他の方はもっと頑張っています」なんて思ったり、
「自分なんて大したことない」と言う言葉がすぐにでてきていませんか?
それも頑張りさんでやってこられたからかもしれません。
親からもらいたかったものは何だったでしょうか?
自分だけを見てくれること
優しい声かけ
呼びかけた時にちゃんと見てくれること
無条件の愛情
比較しないこと
争いのない空間
暴力のない環境
愛情深い働きかけ
一貫した態度
他にも、いろいろあると思います。
これらがない中で、やってこられたのですから、
すごいことですよね。
頑張ることが乗り切る方法だったのかもしれません。
うまくいかないことがあると、頑張りが足りなかった、
もっと頑張ろうとされてきたのではないでしょうか。
あるいは、何をやってもダメなのだから、
がっかりしないように最初からあきらめておこうと
いう思いを強くしていったかもしれません。
どちらも、困難な状況に対処するための方法だったのです。
子育ての時に、この方法だとうまくいかないことが
でてきた、という状況ではないでしょうか?
内的家族システム療法といろいろなパーツさん
内的家族システム療法では、いろいろなパーツさんがいて、
様々な役割を果たしていると考えています。
頑張りさんはまとめる役のパーツさんかもしれませんし、
まとめる役パーツさんとは別にいるのかもしれません。
どちらにしても、「いえいえ私なんてそれほどでも・・」と
いうのは、まとめる役パーツさんがまだまだと言っているように
思います。
パーツさんたちは親からもらえなかった中で、いろいろな工夫をして
やってこられました、あなたと共に。
伝わってますか?
何言ってるの? なんかおかしくない? と思うかもしれません。
親からもらいたかったのに、もらえなかったと悲しがっているパーツさん、
あるいは、怒りを抱えているパーツさん
子どもにはそんな思いをさせたくないというパーツさん、
思い通りにならない子どもを見てイラっとするパーツさん
ここで怒ったら長引いてしまうから、イラっとしているパーツさんを
なだめようとするパーツさん といろいろなパーツさんが存在していませんか?
そう考えると、イライラパーツさんはいない方がいいのではないですよね。
どのパーツさんも大事なパーツさんです。
イライラパーツさんが活躍している時は、ケアが必要なサイン
イライラしなければ、子どもにちゃんと対応できるのに
と思うことはありませんか?
子どもが何度も何度も同じことを質問してきたら、
イライラする人もいれば、泣きたいような気分になる人もいると思います。
自分に余裕がなかったり、疲れていると同じことでも
イラっとしやすかったりもします。
イライラや泣きたい気分というのは自分自身へのケアが
必要なことを示しているサインとも言えます。
どうして、お母さんのケアが先なのか?
飛行機の安全アナウンスでは、保護者が先に酸素マスクを装着してください。
その後に、子どもさんにつけてあげてくださいと言っています。
そうなのです。
子どもをケアする人が安全にならないと子どものケアはできないのです。
お母さんが自分の時間を持ったり、ほっとできるようになったり、
助けを求めてもいいのだと思って行動にうつすと、
張りつめていた糸が少しゆるみます。
そうすると、子どもの状態にも目が届くようになり、
何か起きた時に十分な手当てができるようになったり、
子どもとの関係が楽になったりもします。
子どもとの関係、順番が大事
まずはお母さんと子どもの絆がしっかりしていることです。
お母さんと子どもとのよい関係が土台にあると、
ルールを守ることや学習することなどが
積みあがっていきます。
土台に不安を感じていらっしゃるなら、
今は土台作りを優先させるのはどうでしょうか?
自分が親からもらえてないことで苦しんだ、
と思うからこそ、土台を作りましょう。
ストレスすべてが悪いのではなく、コントロールできる程度のストレスは必要
例えば、発表会の前の日は緊張したり、
お腹が痛くなったりしていたけれど、
先生や友達の声かけや、「失敗してもいいや」と
開き直ったりすることで、うまくいったことも
あるかと思います。ストレスは生活にあるものであり、
ないことを目指すものではないです。
アメリカの研究で、子ども時代の逆境体験が
健康に影響を及ぼすというACE研究があります。
子どもが大きなストレスを感じることが起きた時に、
緩衝材としての保護者機能がまるでない状態で
継続して長期にわたるストレスがあると
それが有害ストレスとなり、生理学的な問題を引き起こすのです。
有害ストレスがあると、危険だと警報がなり響いている状態なので、
危険への対処行動をとることが優先されます。
そのため学習に集中することが困難になり、
イライラしやすくなったり、不安定になったり、
身体的な成長が止まったりすることもあります。
ストレスをコントロール可能なストレスにするには、
緩衝材としての保護的機能がとても大事なのです。
どうしてストレス反応が問題なのか?
例えば、道を歩いていて、黒くて大きな動く物体がいたら、
どうなりますか?
一瞬固まります。
コンマ何秒か経って、イノシシ? とわかるのはいいですが、
同時にもし自分に向かって来たらどうしよう? とドキドキは続きます。
その間、脳は副腎にストレスホルモン、アドレナリン、
コルチゾールを大量に放出するよう指令をだし、
心臓が強く脈打ち、瞳孔が開き、気道が拡がります。
ほどなく、闘うか逃げるかを判断できるようになります。
イノシシと闘うなんて無理だ、逃げよう。
でも走って逃げたら追いかけてくるかもしれない。
ゆっくり後ろにさがりながら、距離をとってから走ろうと考えることでしょう。
こんなことがあった時、誰かにいいたくなります。
聞いた相手が、受け止めてくれるとほっとします。
ですが、「イノシシ? 見間違いじゃないの?」「どんな田舎に住んでるの?」
などと馬鹿にされたりすると、言うんじゃなかったと思うし、
ドキドキして怖い思いをした自分が取るに足らないような存在に
思えてくるかもしれません。
ストレス反応が起きた時に、十分なケアがなされないことが
続くと、有害なストレス反応となりやすいです。
子ども時代の逆境体験の影響を軽減する6つの方法
ACEには次の6つを大事にしていくとよいと言われています。
睡眠
栄養
運動
健全な関係
マインドフルネス
瞑想
ベーシックなことですが、
一つ一つはちょっと難しい。
良い睡眠を7,8時間取りたいと思っても、
なかなか時間がとれなかったりします。
食事はいつも子どもの残りもの、
菓子パンだけの時もあったりして、
バランスのよい食事をするのはなかなか難しいです。
運動はどうでしょうか?
ジムに行くなんてできない。
電車通勤なら歩くということがあるかもだけど、
車通勤の方なら、ほとんど歩かない、なんてことも。
お昼休みに歩くなんて、無理~。
と、どれも取り組もうとすると、結構大変なのです。
マインドフルネスや瞑想って、なんだろう?
ヨガの人がしているあれ?
なんて感じになるかもしれません。
普段、頭の中はいろいろなことを考えています。
あれもしよう、これもしないと、
と段取りを考えたり、さっき言われた言葉にひっかかるなど
いろんなことを同時にしています。
その状態から離れて、ただ自分がある、ということを感じる
ようにしていくことだとイメージしてもらったらいいかもしれません。
全てをやらなくていい、出来そうなところから取り組みましょう
睡眠は、脳を回復するのにとても大事なのと、
傷つきを修復するためにも必要です。
7時間睡眠をとるために、削れるものはあるか、とか。
食事なら、バランスを考えるようにする、とか。
運動なら、2,3分でできること、椅子に座って両足をクロスして
脚どうしを押してみるとか。歯磨きの時に片足で立ってみるなど。
家族や同僚、友人との関係は健全だろうかと考えてみる。
いつも、傷つけられると感じたり、
〇〇さんに会った後は元気がなくなる、とか
むしょうに甘いものが食べたくなる、などが
あるのなら、その関係は健全ではないかもしれません。
見直してみるのはどうでしょうか?