どうしてダメ男を切れないのか?
こんなこと、ありませんか?
自分では何もしないのに、こちらにばかり責任を投げつけてくる。そのくせ自分は周りに評価されていないと言う。周りの人に対して、実力もないのに、いい思いをしやがってと思っている対象がいる。彼らに恨みをぶつける。それを聞いていると、自分まで嫌な感じになってくる。こちらが気に入る返事をしなければ、黙り込む。ほとんどの場合、相手に気をつかって言葉を選んでいるけど、ある時、率直に言ってしまうと、私の言葉に攻撃してくる。
そんな人と同じ空間にいなくてもいい。それは、とってもすばらしい気づき。なんとなく嫌な感じ、それが大事。けれど、たいていの場合、その気づきを脳が打ち消してしまう。いやいや、そうはいってもつきあって半年たつし。いいところもある。優しいし。最初はとってもよかった。私もそろそろ結婚したいかな・・? 次にまた交際相手はみつかるの? めんどくさい。嫌なときはあるけど、やり過ごせるし、やり過ごせてきたから。なんて次々と理由がでてきて、継続していく。
気づいても切れない10の理由
1.いいところもある
そりゃそうです。いいところがあると思ったから交際するようになったのだ と思います。あるいは、他の人よりましということかもしれませんが・・
2.これまでかけてきた時間と労力がもったいない
つぎ込んだ分を取り戻したいという思いがある。ゲームやギャンブルなどでも負けが込むほど、引き際が難しいと言われますが、損をしたくないという思いが強くなりすぎると、目の前のことしか見えなくなって、全体を見ることが難しくなります。これは、交際関係でも起きると思います。
3.今度こそ、大丈夫
謝ってくれたから、信じたい。あるいは、今度の人こそ大丈夫に違いないと信じたい。期待を裏切らないでほしい、と相手をたのむような気持ち。
4.別れることは逃げること。逃げてはダメ
小さい頃に、逃げるなと教えられていたり、逃げるのは卑怯だと言われてきたことがあったかもしれません。
5.彼は父親とは違う
言っても行動しなかった父、金銭にだらしなかった、都合が悪くなると怒気を含んだ声と言葉で威嚇してきた、無関心だった、母とけんかばかりしていた、母に暴力をふるっていたなど、父親の嫌だと思ってきたところは彼にはない。彼は父とは違うことを証明したい。
6.自分さえ我慢すればなんとかなる
嫌だと思うのは、私のわがままなのかな? 完璧な人はいない。彼がいうように、私が悪いからうまくいかないのかもしれない。お互いさまという言葉もあるし、ちょっと我慢すれば彼とやっていける。その我慢は、していい我慢なの? それともしなくていい我慢では?
7.いつもひどいわけじゃない
24時間265日ひどい人は、いないと思います。どこかの時点で普通だったり、いいところもあります。そうするといいところが光って見えたり、これを知っているのは自分だけと発見した自分を過剰に評価してしまいがちになります。いいところの基準が下がってきて、ちょっとしたことが、とてもいいことになってしまう場合もあります。
8.救ってくれた
つらくてしんどい時、何気ない彼の言葉で救われた。彼がいたから、あの時を乗り越えられた。それはそうですが、それを理由にうまくいっていない現状を続けることは、あなたにとって今がしんどい時になりつつあるかもしれません。
9.私がいないとダメになる
家事や身の回りの世話が必要。仕事で嫌なことがあるから、当たる人が必要、私が彼を支えてあげないと。彼には支える人が必要なの、と思ったりしていませんか。
10.彼もつらい子ども時代があったから
彼もひどいことをされていたから、こんな風にしかできないのだと思う。子ども時代につらい思いをした私が受け止めてあげないと。本当は悪い人ではない。子ども時代のことがあるから、うまくいかないだけだもの。
あなたはどうですか?
いくつあてはまりますか?
心理学的には、現状維持バイアスと言われ、人は利益を慎重に見積もる一方、損失は過少
評価する傾向がある。今までと同じ行動を維持して後悔するより、それをやめて違う行動
をとって後悔するほうに心理的負担が強いため、現状維持の決定をしやくなります。
脳はだまされやすい
脳科学者の池谷 裕二先生によると、感情が盛んなとき、物事を覚えやすいのだそうです。脳の扁桃体が関わっているようなのですが、感情が動くと扁桃体が活動して、LTP(Long Term Potensiation)という脳神経同士の結びつきが強くなる現象があるとのことです。
出会ったころに、わくわくキラキラ、いいなと感じた時には、脳からシータ波がでているので、LTPが起きやすいため、初めての出来事も記憶しやすい。相手と出会った最初に、キラッと思ったとしても、強力に残っていても不思議ではないようです。
そうすると、なんだかちょっとなあ・・と思っても、残っている記憶とのつじつまを合わせるように脳は働くので、相手のいいところや自分にとってのメリット(冷静に考えるとメリットではなかったりしても・・。)を出してきて、ま、いっかとなってしまう。
やがて、考えるのがめんどくさくなって、放置してしまう。
嫌なことはストレッサーとなり、ストレスを感じます。これまでに培ってきたストレスへの対処法でなんとかこなしていきますが、嫌なことが増えていくと、ストレスへの対処ができないと感じるようになり、どうしていいかわからない時が来ます。
ストレス状況下で、どういうことが起きるのかを「予測」することと、それを「回避」する方法を知っておくことがストレス感情を下げることに繋がるという実験結果があります。
どうしていいかわからないという時に、起きる可能性のあることを予測し、どうやってその状況に対応するかを考えておくことにより、ストレスを軽減できる。
ストレスが下がると、これからどうしよう? という少し引いたことを考える余白ができてきます。
行動にうつすのが難しいのは?
慣れしたしんだ環境は、嫌な状況であっても予測ができる状況です。こうなったら、次にこうなるんだろうな、と。新しいことをすると、次に何が起こるのかわかりません。そのことが不安や恐怖をよびおこします。
変えていいのかな? あなたがいつもと違うことをすれば、相手は反撃にでるかもしれませんし、下出にでたり謝ったりして、いつものあなたでいるようにコントロールしてくるかもしれません。
違うことをするというのは、負荷がかかるのです。今までと同じことをするのは労力が少なくてすみます。
今度こそ、うまくやって、これまでの分を取り戻したいというパートさんがいたり、逃げるなというパートさんがいるかもしれません。
友人から相手のよくないところを聞かされても、決断しにくいのは、自分の中のパートさんが反対しているからかもしれません。
あなたの望んでいることはなんですか?
相手が私の思う通りの人になってくれること、だったりするかもしれません。彼さえ変わってくれたら、私は幸せになるのに・・
どんな日々を送りたいですか?
相手が変わってくれるとしたら、どんな生活になりますか。
あなたはどんな風にいますか? 笑っている? 楽しんでいる? 静かにしている?
何も考えないで生活している。
自分の思う生活を描くことが難しいと感じるかもしれません。
そもそも考えたことがない。考えても、なりっこないから、無駄な感じがする。
自分でやっていくというのもありだし、セラピストと一緒にやってみるというのもいいかもしれません。