母とのつきあい方 エキセントリックなタイプの場合
母親のアップダウンに何かと振り回されてきた
よくわからないまま、つきあってきたけど、
何なんだろう? とふと思う
なんてことありませんか?
その理由と対処法をお伝えします。
子どもであることが難しかった
母がいつ変わるのかわからないから、
優しくしてくれる時も、すっかり安心しない
ようにしていた。
だんだん冷めてみるようになった。
そうしないと自分が傷つきすぎるから
母は、しょっちゅう出かけたり、
お酒を飲みすぎて、部屋を汚した。
どうして他所のお母さんのようでは
ないのだろう? と思ったが、
怖くて口にはできなかった。
やがて、あなたが母の汚したものを
片付けたり、なだめたり、
飲みすぎないように見張ったりしていた
かもしれません。
このまま学校にいって大丈夫? と思ったことも
一度や二度ではなかったかもしれません。
私に母親役割を求めてくる母
友達に嫌なことを言われた、と言ったら、
激高して学校に電話をして、友達の家に行った。
帰ってきて「どうして私の身にこんなことが起きるの?」と
母が泣いた。
それからは辛いときや困ったことが起きても
母に言わないようにした。
とんでもないことが起こるのが怖かったから
困っている私は置き去りになった。
慰めてほしくて、そばに行くと、
優しい言葉をかけるどころか、
「お母さん、大変なのよ」と聞かされる
母は子どもの私をなだめるよりも、
自分をなだめてもらいたがっていた。
子ども時代の逆境体験による成長後の影響
ACE研究をご存じでしょうか?
アメリカのフェリティ先生たちによる研究なのですが、
子ども時代に親による侮辱、暴言や虐待、家族の誰からも
大事にされていない、家族不和などの機能不全、
誰も守ってくれないと感じていたなどの10項目(逆境体験)と、
大人になった時の健康状態に関連があるというものです。
例えば、ACEスコアが「7」以上の人は、飲酒も喫煙もせず、
肥満や糖尿病でもなく、コレステロール値が低くても
心臓病のリスクが、スコアが「0」の人の3.6倍あるといいます。
これらは、体験のひどさより、予測のつかない出来事に頻繁に
晒されることが大きなダメージを与えると言われています。
予測ができないと、どんな軽いストレスでも耐えることは難しいのです。
予測不能なことがたくさんあると、
慢性的なストレスを抱えることとなり、
免疫システムやストレス反応を調整する遺伝子に変化を
起こし、大人になった後の、身体不調や疾患に
繋がるとも言われています。
お母さんの子ども時代にも逆境経験があるかも?
子どもであった母はないがしろにされていた。
厳しい舅姑がいて、祖母は働き手扱いだったり、
小姑がいたりした。
結婚してすぐに、実家に帰れと言われたり、
祖父の女性問題などがあって、
祖母自身が安心した妊娠期を過ごせなかったの
かもしれない。
そうすると、胎児はストレスを感じて反応しますが、
胎児なので戦うことや逃げることはできません。
だから、固まるという反応しかとれないのです。
心理的トラウマが頻発すると、脳はさらに固まるという
反応をしやすくなることがわかっています。
胎児期のその状況が改善されることなく
養育期にも続くと、警戒しっぱなしになり、
少しのことにも警報機が鳴り響くようになります。
パニックになったり、身体が固まったり、
身体と心が離れた状態になったりするようになります。
その状態で大人になったお母さんは、
愛情を求めていることにも気づかないのか、
求めてはいるけど、決して手に入らないように
しているのかもしれません。
例えば、猫好きなのに、猫アレルギーがあって、
猫を抱っこすると、体調が悪くなる人のように。
愛情を欲しがっているけど、もらうのを拒否してしまう。
もらっても居心地悪い。もらうことができない。
それで、力の弱い子どもに求めるのが一番安全だったりするのです。
された方はたまったものではありません。
本来必要な世話をされるどころか、
自分が世話をする側になるなんて。
お母さんには助けが必要ですが、
あなたが勧めても、受け取るかどうかはわかりません。
そのお母さんと長年つきあっているあなたにも、
ケアが必要です。
脳は可塑性があり、回復することがわかっています。
回復するのに、遅すぎるということはありません。
子ども時代を生きられなかった自分をケアする
子どもの頃に予測のつかないことが起こることは、
慢性的なストレスであり、成人病や対人関係の問題に
つながることを知ってください。
それほどひどいことではない、どこの家にもある
と思ってこられたかもしれませんが、
ちょっとしたことだとしても、
ダメージは負っていたりするのです。
生活の中なので、日常的に起きていたとも
言えると思います。
人間関係でちょっと困っている、
お母さんが急に家にくるのをなんとかしたい。
などがあるなら、自分のケアをしてみましょう。
くつろげる椅子や床に座ってみましょう。
座る時に、座骨を意識して、座面にお尻をくっつけます。
できれば、で、いいですよ。
わからない、のはそのままで大丈夫です。
ゆっくり吐いてみます。
吐ききったら吸います。
何度かこれを繰り返します。
ただ、呼吸を見守ってください。
何か浮かんで来ても、ただ見ていてください。
気になって呼吸を見守ることが難しくなるなら、
「吐く―」 「吸う―」と頭の中で言いながら
してみてください。違う言葉でも大丈夫です。
何かを言いながら、というのがいいです。
頭のてっぺんから首、肩、胸、肩甲骨と足先まで、
身体をスキャンしてみましょう。
痛い所や、硬い所、何かあるなと思うところが
ありますか?
あったら、ただそれに気づいていてください。
何もないという場合もありますよ。
しばらくしたら、呼吸に戻ってください。
できればこれを毎日してみてください。
そのうちに身体の感じが変わってくるかもしれませんし、
何もない、ということもあります。
お尻を座面につけて、呼吸をすることをしてみるのは、
自分自身と一緒にいる時間になってくると思います。
母の問題は母に引き受けてもらう。それができたら、問題ないけど・・
断れたらいいのだけど、それが難しい。
可哀そうかな? という隙をつかれたり、
ものすごいパワーで押されて、
入れてしまう。
または、あっけに取られているうちに
来てしまう。
住所を言わなければいいのだけど、
頼りになるところもあるし、
良いところもある。
そうですよね。
呼吸のワークなどで、自分をケアしていくと、
罪悪感や、恥、不安などが減っていき、
自信をもって、これ以上来ないでと伝えられる
ようになります。
母にしてほしくて、してもらえなかったことを
恨んだり、取り返したいと思うことを手離し、
自分の“今”を生きるようになっていくでしょう。
母自身もいろいろあったのでしょうけど、
それも含めて、母自身に引き受けてもらう。
「お母さんを幸せにしてあげられなかった」
とつい思ってしまうかもしれませんが、
お母さんを幸せにするのは、お母さん。
あなたではないのです。
「お母さん、不幸なの」を漂わせるのなら
断固拒否していいのです。
お母さん、いろいろな人に「私って不幸」を
やっているかもしれませんよ。
その戦略は通用しないよって、
拒否ってあげることが、一番の親孝行かも。
「私って不幸」で集まってくる人って、
あまりいい感じではないと思います。
もたれあって、満たされたと思っても、
やがて不幸の材料を見つけてしまう。
自分のケアをしていくことがとても大事です。
予測のつかない慢性的ストレスが大きい場合や、
トラウマが複数あるなどの時には、
セラピストと一緒にケアをして行ったほうがいいかもしれません。