コロナ離婚? 夫のあれこれにイラっとなる時
夫と過ごす時間が長くなって、イラっとなることが増えていませんか。
「これから先、やっていけるのかな?」 と思ったりしますよね。
そこで今回、少しでも楽になる対応のヒントをお伝えしますね。
夫の行動には配慮がない。家族を守ろうとしていない
夫は帰宅しても除菌もしないでそのまま家に入ってくる。
妻や子どもが感染しないように気をつけようと思わないの?
と、まるで自分たちを蔑(ないがし)ろにしているようにさえ感じてしまいます。
夫のほうは、消毒消毒と言われて嫌になる。
感染の心配もある中、会社に行って帰ってきたのに、ばい菌扱い。
誰のために仕事していると思ってるんだ!
家にいるときぐらいホッとしたいという思いだったりします。
こんな二人がやりとりすると、どうなるでしょうか?
それぞれ自分の正しさを主張し、相手に間違いを認めさせようとして、
わかってくれないとなるか、この先やっていけるのかと考えるかもしれませんね。
双方が望んでいるものは?
一見、家族の守り方の違い、のように見えるかもしれません。
危機意識の違いというようにも考えられます。
それもあると思います。
ですが、双方が求めているのは、「あなたは私を大事にしてくれるの?」「信じていいの?」という愛着なのです。
愛着って、子どもが主に母親に対して持つ、あれ? とお感じになるかもしれません。そうです。愛着をしっかり持てると、子どもは親を安全基地にして、探索したり、いろいろなことにチャレンジするようになっていくという“愛着”です。
夫婦や恋人に、愛着を求めるのは、とても自然なことです。
自分が病気やけがをした時に、夫の顔をみてほっとしたということもあると思います。あるいは、仕事や人間関係で危機的なことが起きた時に、安心できることがわかったりしたということもあったのではと思います。
反対に、こんな時にも頼りにならないんだ、と失望した人もいるかもしれません。
大人にとっても愛着はとても大事なものなのです。
愛着があると、相手とより親密になれるし、頑張ることもできるという研究があります。
今さら夫に愛着とか、求めてないし
業務連絡をするだけ、親としての関係だけでやりすごしている、それでいいんじゃない?
そうですね。
それでいいと思ってやってきたのに、新型コロナが来ていろいろな見たくないも
のが見えてしまっていませんか。
在宅ワークや通勤があっても帰りが早くなるなど、
夫と過ごす時間が長くなってきた。
そのせいで、いつもよりイラっとすることが増えたり、
子どもの教育方針が違うことが鮮明になったり、
外に出かけることで回避できていたストレスが溜まったりしていませんか?
夫とはどんな存在なのか? が突き付けられているように感じたり、
やり過ごすのも限界で、逃げ場所がないように思われているかもしれません。
そんな中では夫との対話が「悪魔の対話」になりやすい
感情焦点化療法(EFT)のスー・ジョンソン先生はいいます。
「悪魔の対話」は「悪者探し」「抗議のポルカ」「冷めて離れる」という
3つのタイプがあるといいます。
夫婦が結びつきを感じなくなってから長い時間がたつほど、二人の会話はネガティブなものとなっていきます。
例えば、あるお家では、夫が今晩の夕食はいらないといったのに、帰ってきて
夫:「なんかない?」
妻:「連絡がなかったから、ないよ」
夫:「簡単なものでいいんよ」「すぐできるやろ」
妻:「そういう問題ではないのよ」
夫:「なんなん?」「ごはんも食べさしてくれんのか?」
「簡単でええっていうとるやろ」
妻:「簡単なら、自分でしたら?」
夫:「なんで、一日中頑張って働いてきたオレが作らんとあかんのや」
妻:「私だって働いてるよ」
夫:「ほんなもん、ちょっとやろ。」「オレの仕事の大変さなんかわからんや
ろ」
妻:「子どもがいるから長時間は働けないし」
夫:「ほんなら子どもの面倒オレがみるわ。オレと同じだけ稼げるんか?
そんなら交替しようや」
妻:「・・・・・」
などと夕飯の話が、育児と収入の話になってしまうというようなことが起きたりします。
最初の話が全く違うところに着地して、どちらかが離れるか、けんかになるか、黙って従うなどの結果になってしまいます。
それぞれは何を伝えたかったのか?
夕飯の連絡は、夕飯のことだけではないということですよね。
育児や家事は細かい仕事の連続です。しかも一つ一つが繋がっていたりもします。一部が変わるとその度に組み換えを必要とします。それらを瞬時にしているのがお母さんですが、できるだけそれを減らしたい、一緒に子育てをしている夫は少なくとも業務を増やさないでほしいと思っているのです。
それなのに・・というところでしょうか。
夫側は、どうでしょうか。悪いなとは思ったけど、それぐらいしてもらっていいでしょ? 働いているし、という思いで言ったのかもしれません。だけど、そこには、家事や育児を妻が担っているから働けているという事実を忘れているようです。
家事や育児は誰でもできると、と思っている夫も多いのですが、育児は終わりがなく、感情を使い、思考力を使い、危険がないかを常に意識する、それらを同時に行う仕事って、とってもハードです。
夫の考えの先には、たいした稼ぎもないのだから、家事や育児はお前がしたらいいという思いもあるのではないでしょうか。
妻のいいたかったことは?
「尊重してもらいたい」ということだったかもしれません。
「大事な存在だと思えるものがない」「繋がりを感じられなくて嫌だ」
ということだったかもしれません。
何かというと、「オレと同じだけ稼げ」とできないことを見越して
言っていることも見えて、悔しさが募りますよね。
そうなると、「どちらが正しいか?」 を証明したくなり、
非難の応酬になってしまいます。
でも、それで相手をやりこめることができたとしても、
関係の上では勝利はないですよね。
夫の方は、無理を聞いて夕食を作ってくれるのが愛情だと
思っているふしがあります。「甘え」ですね。
「甘え」が通じるのは、受ける側がそれをよしとする場合です。
この場合の妻は受け入れていませんし、むしろ対等なパートナーとしての
責任ある態度を求めています。
夫がすぐに仕事の話に持っていくのは、勝てる現場だからです。
日頃の家事や育児分担の少なさを責められるのではという不安や
妻が冷めたようにその場を離れていくことを恐れているかもしれません。
改善していくには?
〇「悪魔の対話」が起きていることに気づくことが大事です。
二人の関係で「抗議のポルカ」が起きるのは、どんな時ですか?
例えば、夫が約束を守らない時とか、妻が夫の要望に応えない時、あるいはどんなやりとりがきっかけになりますか?
例えば、「抗議のポルカ」が起きていることをお互いが理解すること
二人が求めているのは、抗議と防戦ではなく、相手といて「安心を得たい」「お互いを頼りに思っている実感」などと認められるようになること。何を求めているかは人によって違いますが、安心や自由、信頼、楽しいなどの短い言葉になることが多いのではないかと思います。
〇「悪魔の対話」が起きていることに気がついたら、会話をやめて、離れる。
何を求めているのか、何をしたいのかを考えるようにします。
〇自分も相手も落ち着いている頃に、こころを開いて対話をする。
対話をするには、恐怖が先立ちます。また、自分の求めているものに辿りつくのが難しい場合もあると思います。
うまくいかない状態が長引いていると自分たちだけで行うのは難しいかもしれません。
その場合は、カウンセラーの手を借りる方がいいと思います。
〇自分がどうしたいのかを主体的に考えるということが大事です。
自分は夫とどのような関係を持ちたいのか、その関係は自分にとって楽しいのか、諦めなのか、辛抱なのか、作っていくようなものなのか。
〇深い部分の対話をできるようになれば、お互いの結びつきを感じられるようになり、関係はよりよくなっていくでしょう。
夫に愛着は求めない
そう決めるのも一つのやり方だと思います。
どうやってもうまくいかなけれど、今すぐ離れるのは難しいというなら、
子どもを育てるための共同養育者だと割り切るのもありだと思います。
その場合は、かなり戦略的に行うことが必要です。
自分は、離婚した相手と子育てのために同居しているというように
考えていても、相手はそう思っていないこともあります。
安心や自分の存在の肯定は友人等で満たしていくようにし、
子育て後に自分がどうするのかという計画や目標を立てて
進んでいくことが大事です。